在日クルド人問題が日本全体の治安を揺るがしかねない最悪の事態とは?(SPY-NE016)
- はじめに
- 遥か未来における最悪の事態を想定しておくスパイのシナリオ
- ドイツで深刻化したクルド人による治安問題から危険性を想定しておくスパイシナリオ
- クルド人問題の発生を想定したスパイシナリオ
- 在日クルド人コミュニティーがPKKの隠れ蓑に利用されかねないというスパイシナリオ
- 外部からコミュニティー内部における不満分子への扇動というスパイシナリオ
- 川口クルド人問題の深刻化の裏側に外部からの扇動によるテロ発生というおそれ
- 地元住民と在日クルド人の共生問題は最悪の事態に向けた序章に過ぎない
- 日本国内の差別と偏見が外部からの扇動と組み合わさることで治安問題へ発展するおそれ
- 問題の元凶は平穏な在日クルド人を利用しようとするコミュニティー内外の不穏分子
はじめに
著者は、2000年代に埼玉県川口市や蕨市を中心とする在日クルド人コミュニティーに潜入調査して、多くの在日クルド人と交流しました。ただ、元諜報員(元スパイ)に課された情報保全規程に基づき、その詳細や特定につながる非公開の情報を明かすことは一切できません。
あくまでも、報道に基づく公開情報を根拠として、元スパイの視点から、昨今話題の在日クルド人問題の経緯と実情を論じます。これは、在日クルド人への差別と偏見を払拭し、彼らの生活と活動の適切な理解を促進することが目的です。
遥か未来における最悪の事態を想定しておくスパイのシナリオ
著者が約20年前に潜入調査していた当時は、在日クルド人と言っても、今日のようにメディアやSNS上で反響が寄せられることもなく、日本社会から全くと言ってよいほど認知されていませんでした。クルド文化の祝祭である「ネウロズ」についても、2024年3月には、公園施設の貸出をめぐって批判が寄せられましたが、2000年代当時は公民館で、日本人で言う町内会の行事程度の規模に過ぎず、人知れず開かれていました。
著者が交流した在日クルド人たちは、日々の生活と仕事に追われており、トルコ国内の政治問題や難民問題について口にする者はほとんどいません。当時の著者自身も、こうした在日クルド人がいついかなる形で問題になるかなど想像できないまま、川口市や蕨市へ出かけていました。
しかし、その想像は、約20年の時を経て、ついに現実になりました。川口市内の病院前で在日クルド人による乱闘事案が発生し、これ以降、日本社会の中から差別や偏見と捉えられる反応が集中し、抗議デモやヘイトスピーチが行われるようになったのです。
逆に言えば、今日のような問題が発生することが、20年以上前からすでに想定されていたわけです。スパイが描くシナリオでは、遥か以前から、在日クルド人がもたらしかねない最悪の事態が想定されていたからこそ、著者は潜入調査することになったのでしょう。

ドイツで深刻化したクルド人による治安問題から危険性を想定しておくスパイシナリオ
一方、海外に目を向けると、1990年代はドイツ国内で、クルド人による抗議活動や暴力行為が行われており、ドイツ社会全体に影響を及ぼす治安問題になっていました。その背景には、トルコ国内出活動するクルディスタン労働者党(PKK)が、メンバーをドイツ国内へ派遣し、こうしたPKKメンバーがドイツ国内のクルド人を利用していたことがあります。
つまり、PKKは、ドイツ国内に大規模なクルド人コミュニティーが存在するため、そのコミュニティーの中で、クルド人から活動資金を集めたり、PKKに加わる新規メンバーを勧誘したり、PKKへの支持者を訴えました。さらに、クルド人に働きかけてクルド人団体を設立し、こうした団体が、ドイツ国内のトルコ大使館などの政府施設やトルコ関連企業に対して、抗議活動を行うよう仕向けたのです。こうしたクルド人の一部は、過激な抗議活動に出るようになり、やがて暴力行為へと発展しました。

ドイツ政府は、クルド人による抗議活動や暴力行為に苦慮した結果、トルコ国内で活動するPKKを非合法組織に指定した上で、ドイツ国内におけるPKKによる組織と活動を全て禁止しました。
折しも、1990年代は、日本国内が経済的に好況にあり、クルド人をはじめとする在日外国人の来日が本格化していました。この時点で、ドイツの事例を考えれば、日本においてもドイツ同様、いつかクルド人による治安問題が発生する危険性を想定できます。1990年代時点で、スパイたちは、今日のクルド人問題が発生するシナリオを描いていました。

クルド人問題の発生を想定したスパイシナリオ
ドイツの事例では、1990年代にクルド人による治安問題が発生したそもそもの原因として、PKKというドイツ国外で活動する組織から、メンバーがドイツ国内に送り込まれたことが挙げられます。こうしたPKKメンバーが、ドイツ国内で平穏に生活して仕事するクルド人を次々と勧誘して、PKKの活動に加わるよう働きかけることで、クルド人による抗議活動や暴力行為が発生したわけです。
つまり、日本においても、トルコ国内からPKKメンバーが来日し、在日クルド人を勧誘するというドイツと同じプロセスが想定できます。1990年代以降は、トルコからクルド人の来日が止まる気配がなく、こうした来日の動きの中にPKKメンバーが混じっていたとしても不自然ではありません。
故に、在日クルド人の間には、いついかなる時もPKKに所属する者が紛れ込んでいる可能性が否定できません。スパイたちは、こうした可能性を前提としたシナリオを作るわけです。

在日クルド人コミュニティーがPKKの隠れ蓑に利用されかねないというスパイシナリオ
スパイたちは、1990年代当時から、在日クルド人の間にPKKと何らかのつながりがある者が紛れ込んでいるかどうかを探知するため、在日クルド人コミュニティーの内部を探ることになります。
しかし、PKKと何らかのつながりがあると言っても、これを探知することは一朝一夕に行きません。PKKは、トルコやドイツをはじめとして一部の国々で、危険性があるとして非合法組織に指定されています。日本を含むPKKが非合法化されていない各国においても、治安当局がこうした事情を知らないわけがありません。
故に、PKKに所属する者は、PKKとのつながりを隠して来日し、在日クルド人コミュニティーに密かに身を寄せる可能性が高いです。こうなりますと、在日クルド人自身にとっても、顔見知りになった同胞が実はPKKとつながっていたなど、簡単には分かりません。結果的に、在日クルド人コミュニティーは、PKKとつながりがある者にとって、自らの所属や活動目的を隠すための「隠れ蓑」に近いことになります。
スパイたちは、こうしたシナリオに基づいて、どのようにすれば彼らを探知できるかを計画することになります。

外部からコミュニティー内部における不満分子への扇動というスパイシナリオ
さらに、1990年代のドイツの事例によれば、コミュニティーに密かに入り込んだPKKメンバーが、クルド人たちに声をかけて、PKKへの加入を勧誘したり、トルコへの抗議活動を行うよう働きかけていました。
在日クルド人コミュニティーにおいても、PKKとつながりがある者が、在日クルド人たちに声をかけて、PKKへの加入を勧誘したり、トルコへの抗議活動を行うよう働きかけるかもしれません。
こうした勧誘や働きかけに応じる在日クルド人が存在する可能性があります。例えば、在日クルド人の中には、トルコ政府に不満を募らせる者がいるかもしれません。そのほか、日本での生活や仕事に不満を募らせる者もいるかもしれません。さらに、日本社会から差別されていると考えて不満までも有する者もいるかもしれません。
こうして自らの現状に不満を募らせる者、つまり不満分子がいれば、その中から、最も懸念される事態が起こりかねないというのが、スパイが描くシナリオの最高潮に当たる部分です。物語風に言えば、最高の見せ場というところです。

川口クルド人問題の深刻化の裏側に外部からの扇動によるテロ発生というおそれ
コミュニティー内部を観測し続けるスパイたちは、平穏に暮らす在日クルド人の中から、何らかの勧誘や働きかけを受けて、次第に過激な思想に染められ、日本人と日本社会を敵視する不満分子が出てくることを最も恐れています。こうした不満分子が行き着く最終地点が、日本人と日本社会に対する無差別の暴力行為、つまりテロの実行にほかならないからです。
1990年代のドイツの事例では、一部のクルド人がトルコを標的とした暴力行為にまで及んでしまい、ドイツ政府は、その背後にPKKメンバーによる勧誘や働きかけがあったとして、PKKを非合法化しました。ドイツには、1990年代で50万人規模と推定されるクルド人が滞在しており、その一部に過ぎない人数が暴力行為に及ぶだけで、ドイツ社会全体を揺るがす治安問題となったのです。
同じように、在日クルド人の中から、日本社会の全体を揺るがしかねない治安問題を発生させるテロ行為こそ、未然に防ぐ必要があるというのがスパイシナリオの最終章なのです。

地元住民と在日クルド人の共生問題は最悪の事態に向けた序章に過ぎない
2020年代現在、埼玉県川口市や蕨市では、在日クルド人が関与したとみられる事故や事件が報道され、在日クルド人と地元住民の間で不安や恐怖が生じています。地元住民のみならず、日本社会の一部からは主にSNS上で、在日クルド人に対する批判が散見されており、外国人との共生が全国的な問題へ広がりつつあります。
ただ、こうした問題化は、1990年代のドイツをはじめとした欧州で先例があるため、スパイシナリオ上では、想定済みです。スパイシナリオでは、こうした問題化はいつか必ず起こり得るとされており、未然に防ぐ必要があるわけではありません。
しかし、スパイシナリオが描いた想定に従い、現実が着実に進展していることを示してくれます。川口市や蕨市を舞台に報じられる在日クルド人関連のニュースは、スパイたちにとって、自分たちが最も恐れる事態に向けて、シナリオが一段階進展したことを示すある種の警報です。スパイたちは、こうしたシナリオの進展具合に従い、自分たちがどのような情報を入手するかを計画します。
スパイたちにとっては、シナリオの序章が始まったに過ぎず、最高潮や最終章に向けて長く険しい情報収集が依然として続きます。

日本国内の差別と偏見が外部からの扇動と組み合わさることで治安問題へ発展するおそれ
SNS上では、在日クルド人について報道があるたびに、日本社会の一部から差別や偏見と捉えかねない反応が集中しており、これは、在日クルド人の間でも知られているでしょう。各種報道によれば、いくつかの在日クルド人団体は、特定のメディアからの取材を拒否しており、日本社会の一部から浴びせられる批判に対し、在日クルド人の中には、感情を害された者がいるとみられます。
つまり、在日クルド人には、将来的に日本人や日本社会に反感を募らせる下地ができつつあるということです。スパイシナリオでは、こうして反感を募らせる在日クルド人に対して警戒せざるを得ません。こうした在日クルド人に、PKKとつながりのある者が近づき、その反感につけ込んで、何らかの勧誘や働きかけを行うことが想定されます。
在日クルド人の中から日本人や日本社会に対する暴力行為が発生する日が、いよいよ現実味を帯びてきます。

問題の元凶は平穏な在日クルド人を利用しようとするコミュニティー内外の不穏分子
2024年10月にトルコ国内でPKKの犯行とみられる自爆テロが発生すると、SNS上では、テロと在日クルド人を結びつけた批判が一部で散見されました。こうしたテロ攻撃は、今後も発生することが予想され、その度に、在日クルド人への差別と偏見が一層助長されるおそれがあります。
同時に、在日クルド人の中にも、こうした差別や偏見に対して、感情をますます悪化させていくでしょう。もはや、在日クルド人をめぐる差別や偏見と感情の悪化は、相互に作用することで、高まるほかありません。

しかし、ここで日本社会は、在日クルド人の大半が日本人と変わらない平穏な住民という原点に回帰する必要があります。在日クルド人コミュニティー自体には、責められるべき重大な責任が存在していません。コミュニティー内部は、時間の経過とともに世代交代が進み、世代間ギャップが生じることで、在日クルド人同士であっても相互理解が困難になっています。ただ、これは日本社会においても同様であり、在日クルド人固有の現象ではありません。
在日クルド人問題の原因は、コミュニティー内外における不穏分子の存在です。不穏分子の代表格は、PKKとつながりがあるトルコからの来日者ですが、それだけではありません。在日クルド人を外国人移民問題の着火点として、日本社会から関心を集めようと利用する何らかの意図や作為があるかもしれません。
クルド人を含む在日外国人によるコミュニティーについて、スパイが描いたシナリオを理解し、寛容に接することこそ、今後の日本の治安を左右するでしょう。

以 上



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